骨粗鬆症とは

骨粗鬆症は骨がスカスカになる病気です。スカスカになると骨折が心配です。では骨がスカスカであるかどうやって判断するのでしょうか?普通のレントゲンでだけでもわかるんでしょうか?かかとの超音波検査でわかるのでしょうか。血液検査では?


 先進国の骨粗鬆症ガイドラインで最も勧められているのは
腰椎と大腿骨頚部のDXA法による骨密度測定です。
 骨粗鬆症治療の目的は骨折の防止ですが、そのために一番役立つのは腰椎と大腿骨のDXA法による測定なのは、はっきりしているのです。
 2014年改訂の最新の骨粗鬆症診断基準にも骨密度の測定部位は「原則として腰椎または大腿骨近位部」と明記してあります。
 診断基準は明確で
Ⅰ 脆弱性骨折があり骨密度が対若年者比80%未満
Ⅱ 脆弱性骨折がない場合は骨密度が対若年者比70%以下あるいは2.5SD以下
(腰椎や大腿骨の測定ができない場合は橈骨、第二中手骨の骨密度とする)
 踵での超音波測定については「確定診断の方法としては確立しているとは言えない」として無視されています。
 あくまでも検診レベルで骨粗鬆症治療が有効かどうか判断できる材料ではないのです。
 血液検査で骨粗鬆症が診断できるか?はっきり言えます。できません。
 骨折があるかないか診断できるお医者さん、どうしたら治せるか知っているお医者さんだけが骨粗鬆症の治療ができるのです。
 DXAなどX線による骨密度検査ができないところで骨粗鬆症の診療はできないのです。それはたとえば血圧を測らずに高血圧の治療をするようなものです。

画像の説明
 きちんとした骨密度測定に基づく骨粗鬆症の治療をすれば、高齢者や関節リウマチでステロイドを使う患者さんの骨折を減少させることが出来ます。腰椎や大腿骨の骨密度を測定できる全身型骨密度測定装置は大きくて大変高価なため、導入している医療機関はまだ少ないのですが当クリニックではどうにか設置できました。
 これによって骨粗鬆症の患者さんの骨折を減少させることが出来ることを願っています。血圧を測らずに高血圧の治療、血糖を測らずに糖尿病の治療ができないように骨密度を測らずには骨粗鬆症の治療はできません。骨折のしやすさは骨密度だけでは測れませんが、骨密度以外に信頼できる検査もないのです。

 骨密度が減少し、骨粗鬆症に陥った患者さんには、
 運動や食事などの生活改善を指導し、もっとも有効と考えられる薬を処方します。
 年に1〜2回の骨密度測定と血液検査で治療効果を判定し、骨粗鬆症の予防と治療を行います。血液の骨代謝マーカー測定だけでは全く不足です。骨代謝マーカーで骨粗鬆症を診断することはできません。
 骨粗鬆症治療を中断していた患者さんが転んで骨折し入院治療になった患者さんがときどき受診されます。骨粗鬆症治療をちゃんと続けていれば骨折しなかったかもしれません。

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骨粗鬆症の治療

 2014年に新しい骨粗鬆症の予防と治療ガイドラインが発表されました。きちんとした骨粗鬆症の治療をすれば骨折はかなり減るのです。
 骨粗鬆症についてのきちんとした診断のできる整形外科医による治療をお勧めします。
 骨折した患者さんの治療を習得しているのは、基幹病院で10年以上の長きに渡り勉強してきた私たち整形外科医です。

 ちなみにテレビなどで盛んに広告されている健康食品のたぐいではこのような科学的に意義のある検証はされていないか、根拠の乏しいものばかりです。広告で根拠があるとしてあるものも論文のレベルは信じるに足らない低いものばかりです。
 新しい骨粗鬆症の新薬が次々に登場しています。これまでの薬では効果が乏しかった患者さんの治療に挑んでいます。
 従来の薬でも、検診で骨粗鬆症にひっかかった患者さんの骨量は増加するのが通例です。
 骨密度、年齢、生活習慣に沿った適切な治療はたいへん重要です。
背骨の骨折を生じた患者さんの痛みに最も効果が期待できるのはテリパラチド製剤です。毎日注射するのはたいへんですが、骨折した部分の骨癒合効果と疼痛緩和が最も期待できる薬剤です。

 ステロイド性の骨粗鬆症についても新しいガイドラインが発表されました。
 十分な経験のある医師による治療をお勧めします。
 骨折は日常生活における不自由さを一気に悪化させます。人生においてたいへん重要な治療です。

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