上肢の病気

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肘外上顆炎


 クリニックを訪れる肘の痛い患者さんでもっとも多いのはこの外上顆炎です。手のひらを下に向けて肘を伸ばした時に、肘の上側が痛いのがこの疾患です。かつてはテニス肘と言われていましたが、クリニックが出来て8年間テニスが原因の患者さんはたったの二人だけです。この病気の患者さんは毎月10人前後受診されるのですがほとんどテニス以外が原因です。利き腕でないほうも病気になるのがちょっと不可解ですが整形外科専門医なら診断は容易です。
 腱鞘炎とは全く違います。腱鞘炎と言われているのならあなたの病態は理解されていない可能性大です。そもそもそこには腱鞘がないのは整形外科専門医ならだれでも知っています。学生時代での解剖、整形外科医になっての手術の経験でわかっているはずですが関節でも腱鞘でもないのです。関節リウマチでない可能性はほぼ100%でしょう。
 関節か関節外かわからないですって?ぜひ整形外科専門医を受診してください。他科では分からないですかね。
 日々痛みのある病気こそ私たちの腕の見せどころ。日常生活に直接の影響のない高血圧や高脂血症の一般的な治療よりも違いが出てくると感じています。外上顆炎は痛みの続く面倒な疾患で伸筋腱付着部に負担をかけない生活が最も重要で、マイクロカレント治療も効果があります。手ごわい病態に対しては運動器リハビリテーションによる治療がとっておきの良い治療です。

肘内上顆炎

 外上顆炎の反対側、内側の骨隆起が痛い疾患です。こちらは外上顆炎の反対、屈筋群の付着する部位です。屈筋腱がなんだか分からないようでは肘の疾患を診断する資格はありません。
 スポーツをする思春期の子供では投球障害による内上顆裂離骨折や内側側副靭帯損傷が重要な疾患です。レントゲン上ですでに変化があるか、靱帯の損傷が起こっているか。それに応じて投球を休むべき期間、手術が必要な場合が決まります。プロの投手も数多く手術している有名な”トミージョン手術”(内側側副靭帯損傷に対する腱移植術)はこの部位の靱帯損傷に対する手術です。

肘部管症候群

 手の小指側がびりびりじんじんしびれるのは尺骨神経障害の可能性があります。この症状の特別なところは親指がしびれないことです。そして肘を曲げるとしびれが増強し、そのとき肘を伸ばすとしびれが治ります。
 実は院長も肘を折り曲げてパソコンを見ていると小指側がしびれ伸ばすとなおるのです。定型的な症状で肘を伸ばすと治るのなら手術を急ぐ必要はありません。肘の内側を押さえるとびりびりする、手の骨間筋の萎縮が見られるとよくありません。薬指小指をまっすぐ伸ばせないのも赤信号です。すぐ整形外科医を受診するべきです。放っておくと手術しても治らなくなります。

変形性肘関節症

 肘の関節を、野球や労働で酷使すると変形してくることがあります。特に小児期に肘周辺の骨折をしたことがあると起こりやすくなります。変形が進み動きが悪くなってきた場合には手術で救済することができます。リウマチでもほどんど動かなくなってしまった患者さんがおられます。
 リハビリ、関節内注射、そして手術(関節形成術、人工関節手術)で治療します。

腱鞘炎

TFCC損傷

 手首の関節の小指側、医学的に言うと手関節尺側にあるのがTFCCです。日本語だと三角線維軟骨複合体と長いのでTFCCと呼ぶことが多いのです。手の甲の骨、手根骨と前腕の骨、尺骨と橈骨の間にあり、手関節を安定化する役割を担っています。
 ひどく手首をこねて傷めることが多いのですが、徐々に痛くなることもまれではありません。手首を小指側に曲げると痛い、手首を小指側に曲げて掌が上を向くように回すと痛い場合、TFCCが原因のことがよくあります。
 X線では尺骨が長いこともありますが、特に異常のないのことが多いです。
 基本的にはまずギプス、装具で手関節の動きを抑える治療で開始します。

手根管症候群

母指CM関節症

 親指の付け根、指先から数えて三つ目の関節が痛くなる病気です。手の指の中では親指は断然よく使う指(握るときには必ず親指を使います)なので、関節が擦り切れてくるのです。実はよく働く院長も右の親指は傷んでいます。日常生活には問題ないのですが。治療はサポーター、関節注射、どうしても痛ければ手術という選択肢もあります。

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