2017.09.22 カテゴリ：医療

除菌！？

他院にて
　先日テレビを見ていると除菌について放送していました。バスや電車でも不潔なのが気になって握り棒や吊革を持たないようしているとか、からだを除菌シートで拭きまくっているとか。
　そんなことは医師ならしません。人間の体でもどこでも菌がいないということはありえないのです。皮膚の上にはびっしり常在菌という通常無害な菌がいて、タチの悪い菌から人体を守っているのです。たとえ濃度のすごく高い医療用アルコールで殺菌しても（医療には除菌という言葉はありません、菌を殺すなら消毒です）、数時間後には皮膚の汗腺のような奥の組織から菌がわき上がっています。
　だいいちそんな強いアルコールで消毒をいつもしていたら皮膚がもちません。ボロボロになってかえって感染に弱くなります。
　バスや電車で転んで怪我をするほうがよほど心配です。
　私たちのクリニックは整形外科系なので細菌性の肺炎や嘔吐下痢症など感染しそうな患者さんはそもそも受診されることがありません。