オープンカンファレンス

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 8日金曜午後の診療はあまり患者さんも多くなくて無事に終了し、午後7時からの県病院総合診療科・感染症科のオープンカンファレンスに15分遅れで滑り込みました(会社や学校の終わったあとの診療にも注力するクリニックでは午後7時の会合に参加するのはいつも無理。国公立病院ができないことをするのが開業医の使命です)。
 最近はプレゼンテーション能力の高い先生の講演が各地で開かれ、それが伝染して広島市での総合診療科系のプレゼンテーションは聞いていてもたいへんおもしろいのです。診療科をまたいだ様々な症状の解説はまさに病院のシャーロックホームズ的であり整形外科の講演会では聞くことのできない話です(整形外科ではもっとスペシャリスト的な手術の講演が多いのです。それこそ整形外科医の腕の見せ所ですがメスを置いた身には距離があります)。あまり診ることのない、しかし重い症状の疾患をいかにして診断するか。どの時点で県病院や市民病院などの基幹病院に紹介するのか。毎日が真剣勝負なのが、開業医の疲れる、しかしやりがいのあるところです。

 画像の急性大動脈解離は医師なら誰でも知っている病名ですが、実際にはまれな疾患で救急で診断するのは容易ではないということを知りました。診断のつかなかったC整形外科が当クリニックでないことを祈るばかりです。
 院長の祖父も父はこの疾患で亡くなりましたが慢性だったので一年以上も前から診断はついており、覚悟のうえでの高齢突然死でしたので短い時間しか苦しまないという点では悪くない最期でした。だれでも必ずお迎えは来るものですから苦しまない最期が理想です。