生物学的製剤の効果

関節リウマチの手関節超音波エコー像
医学界有数の権威ある雑誌ランセットに載った論文によると、リウマトイド因子あるいは抗CCP抗体陽性の関節リウマチ患者さんにメトトレキサートに加え生物学的製剤シムジアあるいはヒュミラを投与して、2年後にリウマチの症状が低疾患活動性というまあまあの状態を達成できていた患者さんは30%強にだった。
また投与開始3か月で症状の改善が見られない患者さんにはシムジア→ヒュミラ、ヒュミラ→シムジアに変更したところ、どちらでも約60%の患者さんが改善したとのことです。
シムジアとヒュミラはどちらも抗TNF製剤という薬剤のグループですが構造はまるで異なります。でも効き目は同じということでした。
院長から見るとちょっと期待外れの成績でした。世界中の151の病院で実施された調査なのでばらつきもいろいろあったのでしょうがもっと患者さんがよくなるように努力が必要です。
画像は関節リウマチ患者さんの手関節の超音波エコーパワードプラ画像です。赤い部分は活動性の炎症がある部分で今後の病状悪化が心配されます。上記論文とは関係ありません。