イスコチンと腎機能障害

今日は珍しく治療に関する項目です。
気になることがあって調べたので、院長が忘れないよう自分のために記録しておきます。
関節リウマチなど膠原病では免疫抑制療法が有効なのですが(そのほかの治療は効果がないことがほとんどなので)、その際に結核は注意しなければならない疾患です。院長も吉島病院に勤務していたとき以外には見ることの少ない疾患ですが、世界的にも日本は残念なことに中程度に結核がある国なのです。
アメリカとかイギリスより結核が多くて、スペインと同程度に多い。中国やロシアはもっと多いらしい。これを評してスペインは先進国とはいえないとおっしゃった先生もおられました。
そのため生物学的製剤を投与する上では結核の検査は必須とされています。
当クリニックでは治療中に結核を発症した患者さんは幸いにも皆無ですが、X線検査、CT検査、IGRA検査を積極的に行い、呼吸器内科医との連携のもと予防しています。
疑わしいときには吉島病院やマツダ病院など呼吸器内科専門医のいらっしゃる病院を受診していただくのですが、その結果予防的に(結核が見つからなくても)抗結核剤投与となることがあります。
その場合はイスコチンの予防投与が推奨されています。イスコチンは古くから使われている抗結核薬ですが、もし患者さんの腎機能が障害されているときには減量する必要があります。
血清クレアチニンクリアランスを指標にして減量するのですが、よく使われているC-G換算式はあまりあてにはならないと院長は心配しています。
開設以来まだ6年目の当クリニックでは腎臓透析が必要になった患者さんもまだひとりもありません。



今日のブログは格調高くて院長は満足です。でもつまんないですか?