ついに納得

ラテコエール300
 思わせぶりな昨日のブログの続きです。
飛行機の性能が向上して次々と長距離飛行の航路が開拓されたころ、命がけで未開の航路に挑むパイロットは今の宇宙飛行士よりもはるかに有名な国民的英雄だったそうです。
 サンテグジュペリの同僚でもあったメルモス(wikipediaではメルモーズ)は西アフリカ、そして大西洋を横断して南アメリカへの航路を開拓しました。当時のエンジンは良く故障したのでまさに命がけだったのです。もちろんレーダーなんてありません。
 不死身のメルモスもついに大西洋上で消息を絶ち行方不明になってしまいます。最後の無線は”右後部エンジンが止まった” でした。
 当時院長は高校生でしたが、その後ずっと気になっていました。後部エンジンてなんだろう。ちょっと古い旅客機ボーイング727は機体のうしろにエンジンが三つついていたり、軍用ジェット機もうしろにエンジンがついていますが右後部なんていいません。
 わざわざ後部というからには前にもエンジンがあったはずです。しかし前の翼にも後ろの翼にもエンジンがある飛行機なんてみたことがありません。ですので40年前からきっとフランス語の誤訳だろうと無理やり納得していたのです。
 知人が年始年末に西アフリカに旅行されてメルモスが定宿にしていたホテルに泊まったらしいのでネットを見ると、メルモスの最後の搭乗機がわかりました。画像の水上飛行機ラテコエール300型です。フランス製らしい優美な形がカッコいい。主翼の上にエンジンがついているのですが、よく見ると後ろ向きにもエンジンがついていて計4発エンジンがあるのです。串形配置というらしい。その右後ろのエンジンが止まったのですね。機体の名前は ”南十字星” メルモスほか4人の人物が運命を共にしました。