TFCC損傷

8周年
整形外科のなかでも医師になって一番教えてもらったのは手の外科です。新人の時の指導医が専門家だったのです。もっとも当時の広島大整形外科はみんな手の外科専門家でもありました。日本でも指折りあるいは世界的にも珍しいほど。
けっこうよくある病気の一つが三角線維軟骨複合体損傷です。やたらに長い病名、なんじゃこりゃ?という感じですが実はありふれた病気でもあります。手首の小指側を押さえたら痛みがある、手首を外に捻ると痛い、手首をつくと痛みがある。手首を小指側に曲げると痛い、などの症状です。
院長もむかし病院で患者さんのベッドをギャッジアップ(ベッドの頭側を持ち上げることです、いまどきの電動ベッドでは言わないような気もします。)したときに痛めたことがあるのでよくわかるのです。手首をしっかり固定すると3週間くらいでだいたい治ります。
ところで腱鞘炎とは違います。尺側手根屈筋腱鞘炎、尺側手根伸筋腱鞘炎どちらも興味深い病態ですがTFCC損傷とは違うのです。このあたり実際に手術で見たことのある整形外科専門医じゃないとわからないことなのです。